幼稚園で行った行事や保育をご紹介いたします
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カテゴリ:今大切にしたいこと( 6 )

今、大切にしたいこと~田園調布ルーテル幼稚園の保育④

この記事は昨年度に書かれたものです。
今年度の縦割り保育では、子どもたちが話し合い「お寿司屋さん」「海の生き物屋さん」「八百屋さん」をすることが決定し、毎月集まって製作をしたり、一緒に遊んだりして過ごしています。また、今年は「ルーテルピック」と称して縦割りのグループで一緒にスポーツをするこになりました。


育ち合い

田園調布ルーテル幼稚園には、100人余りの子どもたちが通ってきています。通常は3学年2クラスずつで活動をしていますが、隔週で縦割り保育の日も取り入れています。縦割り保育は、全園児を3つのグループに分け、その日は異学年の子どもたちが一緒にお礼拝をしたり、他のグループと一緒にかけっこをしたり、お弁当を食べたりしています。その中で一番のイベントは、3学期に行う「おみせやさんごっこ」です。今は、縦割りの日はおみせやさんごっこに向け、各グループで商品を作りためています。

縦割り保育では、大きな子と小さい子がペアを作り、隣にすわります。年上の子どもたちは、いつもと違う環境に緊張している小さな子に、「ここにすわるんだよ。」と手を貸したり、製作の時には「こうやるんだよ。」「貸してごらん。」と優しく教えてあげます。縦割り保育は、小さい者が大きな者に助けてもらうためだけに行うのではありません。大きい子どもたちもまた、小さい子どもたちに対して自分の持てる力をすべて使って、手を貸す体験をして大きく成長します。また小さいお友だちも、大好きなお兄さんお姉さんの様になりたいと憧れ、新しいことにチャレンジしていく体験を重ねていきます。その中で思いやる心や、頑張る力等を育み合い、子どもたちは育ち合っていくのです。

かつての地域社会では、家の近くには必ずと言っていいほど空き地があり、そこで子どもたちが近所の友だちと遊んでいました。子どもたちはそこで、いろいろな年齢の子と過ごし、小さい子は大きな子に学び、大きな子は小さな子に手を貸したり、思いやったりして成長していきました。それは子どもたちが大人になった時に様々な人と関わる際の基となっていくのです。そうした機会が少なくなってきた今だからこそ、こうして田園調布ルーテル幼稚園では異年齢の子どもと過ごす機会を大切にしているのです。そしてその中で、互いを認め、信頼し合い、みんなで育ちあってほしいと願っているのです。

園長 高瀬眞理子
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by denenchoufu | 2017-10-10 08:39 | 今大切にしたいこと

今、大切にしたいこと~田園調布ルーテル幼稚園の保育③

この記事は2016年に記載したものです。 今年度は開園から65年となっています。
「手をつなぐ」

皆さんは子ども時代、お母さまや大切な人と手をつないだ感触を覚えていらっしゃいますか。ルーテル幼稚園では毎朝、「おはようございます!」と元気な笑顔で登園してくる子どもたちの姿が見られます。その傍らにはおうちの方たちがいらして、手をつないで登降園をしています。その何気ない毎日の風景も、子どもたちの育ちにかけがえのないものとなっています。

田園調布ルーテル幼稚園は開園から64年の時をきざんでいます。町の風景もかわり、子どもを取り巻く環境も刻々の変化が見られます。けれども、幼稚園の登降園を見つめつづけてきたなかで気づかされることがあります。幼児期に、おうちの方や周囲の大人たちとしっかりと手をつなぐこと、抱きしめられること、そして挨拶をかわすことは、いつの時代にも子どもたちの育ちに求められているものです。ある朝、登園してきたMちゃんは、お母さんと一緒に今まで見たことのない花が咲いているのを見つけたと知らせてくれました。いつもの通園路で、いつもと違う「花咲く」一瞬をお母さまと目撃した喜びをわかち合ってくれました。子どもたちの中には、落ち葉やおもしろい形をした石ころなど、思いおもいのものを朝から「見つけたよ!」とはじけるような笑顔で見せてくれることもあります。大人の目には小さな出来事のようですが、子どもたちには隣にいる人と新しい何かと出会い、わかちあう忘れがたい記憶となることもあるのです。今はとても忙しい時代で、おうちの人も園も協力して、試行錯誤や工夫を要することもありますが、子どもと手をつなぎその歩幅をあわせるなかで得られるものがあると考えています。

児童文学者の石井桃子さんがかつて自筆でこんな言葉を残されました。

子どもたちよ
子ども時代を しっかりと たのしんで ください。
おとなになってから 老人に なってから
あなたを 支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です。

その「あなた」の横にいて手をつなぐ人の存在もとても大切なのです。幼稚園は子どもが育つところだけでなく、おうちの方たちも子どもたちと手をつなぎ、言葉を交わし、そして一緒に成長していける場所にもなります。子ども時代の「あなた」の横にいて、手をつなぎ、心と心もしっかりとつながっていくために、保育者も手をつなぐものでありたいと願っています。

園長 高瀬 真理子

by denenchoufu | 2017-09-22 14:41 | 今大切にしたいこと

今、大切にしたいこと ~田園調布ルーテル幼稚園の保育②

この記事は、2016年に掲載したものです。今年は、9月13日~15日に合宿に行きました。

プロセスを大切にする

田園調布ルーテル幼稚園では、毎年2泊3日で合宿を行っています。小さな子どもたちにとって、家族と離れて過ごす事ははじめてのことでもあり、大きな出来事です。年長組の担任の先生たちは春から合宿を見据えたクラスづくりを心掛けています。日々の活動や園外保育などを通じて、子どもたちと「共に過ごす」機会を増やし、そこで体験したことを話し合う機会を重ねていきます。夏が近づく頃には、どんな合宿にしたいか。全員そろって楽しく過ごすには何をすべきなのかなど、話し合いは活発になりはじめます。

合宿への期待と不安に揺れ動いている様子の子どもたちも、子どもたち同士の熱心な話し合いのなかで、「この仲間となら一緒に行っても大丈夫」と思えるようになってくるのです。子どもたちの間に、励まし合いや支え合い、そして信頼関係が芽生える「とき」を保育者たちは目の当りにすることがあります。それまで辛抱強く見守り、お互いの育ち合いがなされるよう保育環境を整えるようつとめています。
今年も9月14日~16日に年長組の子どもたちは、バスに乗って奥多摩まで行きました。出発前にはお母さんと離れがたく泣いてしまった子どもたちも、大自然のなかで仲間と一緒に、よく笑い、よく食べ、そしてはじめて見るものに目を丸くしたりしながら、楽しい時を過ごしました。恒例のお相撲大会では負けて悔し涙を流すお友だちに、「頑張ったんだから、泣かないんだよ」と肩をさするAくん。出発前にあんなに泣いていたのに、帰るときには「もう一泊したい!」と笑顔はじけるBちゃん。短い合宿の間にも、子どもたちはかけがえのない体験をして、成長の過程が見られます。

ルーテル幼稚園では、合宿以外にも様々な行事があります。どの行事も子どもたちが精いっぱいに参加し、喜びを分かち合えることを目指しています。他方で、保育者は一つひとつの行事を1年間のサイクル、3年間の園生活といった長いスパンの中に位置づけて準備もしています。そうして子どもたちは日ごろの保育の中で、自分ができることや、友だちをどうやって支えられるか、そしてお互いに信頼しあうために何をするかなど、自然と話し合い、考えられる環境が作られていきます。一つひとつはささやかな一コマですが、そのようなプロセスを通して、子どもたちの心は大きく育っていくものと考えています。


園長 高瀬真理子
by denenchoufu | 2017-09-19 17:02 | 今大切にしたいこと

今、大切にしたいこと ~田園調布ルーテル幼稚園の保育⑥

手間をかける

田園調布ルーテル幼稚園の子どもたちは、お昼に手作りのお弁当をいただいています。お弁当のふたを開けると、あちこちから「わぁ、先生、見て~」とよろこびの声があがり、「今日のデザート、な~んだ」、「このお芋、おばあちゃんからもらったの」など、楽しい会話がここかしこで飛び交います。子どもたちの笑顔から、どんなにお弁当の時間を楽しみにしているのかが、よくわかります。

すでに成人された卒園生Mさんから、大人になった今も、幼稚園で使っていた赤いアルミのお弁当箱を大切に持っている、という話を聞いたことがあります。そのお弁当箱を見ると、心をときめかせながらお弁当箱のふたを開けていた園のお昼の時間が思い出されるそうです。お誕生日や特別な日には、大好きな太巻きをお母さまが入れてくださり、その時のお母さまとの会話も鮮明に覚えているそうです。「食育」の原点を教えてくれたような話でした。

そのようなお昼の様子は長年、幼稚園で変わらないものです。お弁当を開く時の子どもたちのうれしそうな顔を見ると、その場面をおうちの方たちにお見せしたいと思うときがあります。お弁当を通して、しっかりと愛情が伝えられ、きずなが育まれているのを感じるからです。毎朝のお弁当づくりはおうちの方たちにとって、お手間のかかることだと思います。しかしその「手間」が子どもたちの心身の育ちをうながしているのも確かなことだと思います。

その他に当園では、毎月10日、20日、30日の「0」の付く日は、おにぎりだけをお弁当にするオーデイを実施しています。これは世界にはおにぎり一つも十分に食べられない人たちもいることを覚え、また日頃の自分たちに与えられているめぐみに感謝をする日として続けられています。生きるためにもっとも基本的な「食」を通じて、喜びや感謝の心を養い育てる保育を心がけています。その他に保育の中で、クッキングや季節ごとの食育保育にはそのような願いが込められています。

副園長 髙瀨真理子
by denenchoufu | 2016-10-20 17:49 | 今大切にしたいこと

今、大切にしたいこと ~田園調布ルーテル幼稚園の保育⑤

心が育つ

秋のさわやかな日差しの下、子どもたちは園庭でリレーを楽しんでいます。「がんばれ~」の声援の中、足の速い子も走るのが苦手な子も頬を染めて懸命に走ります。「ただいまの勝負。赤組の勝ち!」と勝負がつくと、「Aちゃん、早かったね。」と足の速い子をほめる声の中に、「Bちゃん、昨日より速く走れるようになったね」、「Cちゃんは、昨日バトン落としちゃったけど、今日は落とさなかったね」という声も聞かれます。リレーやゲームなど子どもたちは園庭で思いっきり体を動かし、競技に熱中しながらも、相手のがんばったところや素晴らしいところも見て伝えられている様子に、保育者の方が目を見張る思いをすることがあります。
 ルーテル幼稚園は教会附属の幼稚園であるため、礼拝の時間があります。礼拝堂に集まりお祈りや讃美歌を歌い、牧師先生から聖書のお話を聞く時間です。大きな礼拝堂の中で心を静かにしてじっとしていることがはじめから得意な子はいません。しかしそれを繰り返しているうちに、じっとしているのが苦手な子どもも人の話が聴くことに慣れていない子どもも、礼拝の時間は心を静かにして皆でひとつのことに心を傾ける習慣が身についていきます。いつも園庭などで活発に元気一杯に遊んでいるルーテル幼稚園の子どもたちのもうひとつの姿です。

幼稚園では、朝の会や帰りの会の集合時間に子どもたちと一緒に欠席者の確認をしたり、話し合いの時を持ったり、小さなお礼拝をしたりします。そこでも子どもたちの心は活発に動いています。お友だちの事を話し合う時には、「○○ちゃんは、声がきれいで歌が得意。」「○○ちゃんは、お絵かきする時、最後まで頑張って描いているよ。」「○○ちゃんは、小さい子にすごくやさしい。」等々、子どもたちは互いの良いところを認めあい、みんなで分かち合ったことを伝えあったりします。

ルーテル幼稚園が開園当時から大切にしている聖書のことばがあります。「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」。これは初代園長の矢野英武先生が園で大切にするようにと伝えられた聖書の一節です。子どもたちがお互いの成長を喜んだり、お友だちの病気やけが、そしてがんばっている様子に心を寄せて、周囲の人たちに感謝をする様を見る時、子どもたちのやわらかな心にも、その精神が育っているように感じる時があります。そうした日々の中から、私たちが生かされている事、めぐみが与えられている事を知り、生きる喜びが生まれ、感謝の心が育ちます。それは、生涯を通しての生きる糧となっていくのだと考えています。

副園長 髙瀨真理子
by denenchoufu | 2016-10-12 18:09 | 今大切にしたいこと

今、大切にしたいこと ~田園調布ルーテル幼稚園の保育①

かけがえのない自分を見つける

 9月を迎え、来年度入園をお考えの保護者の方々にとっては、大切なお子さまをどこの幼稚園に入園させようかとお考えの方も多いことでしょう。幼稚園にも様々なお問い合わせをいただくようになりました。そこで、田園調布ルーテル幼稚園が大切にしていることを、皆様にシリーズでお伝えしてまいります。

田園調布ルーテル幼稚園では、キリスト教保育を基に子どもたちの全人的な育ちを見つめ続けています。子どもたち一人ひとりが大切であることを知り、互いに育ちあうことを大切にしています。保育者がお子さまたちと直接に関わるのは三年間というわずかな期間ですが、幼少期のこの時期にこそ、大切な過ごし方があると考えています。
ある時、高校生になった卒園生のお母様がこんなお話を聞かせてくださいました。卒園生のTくんは在園時から元気いっぱいの子どもでした。中学生の時から部活に励むようになり、全国大会を目指すような実力をつけていました。ところがある大きな大会で、思うような結果が出せず、大変悔しい思いをしました。しばらくの間、とても落ち込んでいたTくんでしたが、ある日、お母様にこうおっしゃったそうです。「僕は幼稚園でちゃんと自信をつけさせてもらったから、大丈夫」。もちろん、Tくんがそう思えるのは卒園後、学校の先生方やお友だち、またおうちの人たちからたくさんの大切なことを教えられ、Tくん自身が立派に成長してこられたからだと思います。けれども、幼稚園時代のことを覚えていてくれたことが保育者として、とてもうれしく思いました。子どもたちは成長していく過程で、人との比較や優劣、また勝ち負けに向き合う場面がありますが、そのような中でも、かけがえのない自分という存在をしっかりと持って生きていけることを保育の願いとしているからです。
幼稚園というところは、子どもにとって「最初の社会」ともいわれています。お家で大切に守られた環境から、はじめて保育者やお友だちと「共に過ごす」ことを経験します。自分の思い通りにいかないことや、他の人たちとぶつかったり、力や思いをあわせる体験をしながら、かけがえのない存在に気付いていきます。保育者はひとりひとりの個性を持った子どもたちを見つめながら、同時に大勢のなかで共に育ち合っていく歩みができるように、日々、考えています。ですから、「幼稚園で自信をつけさせてもらったから」というTくんの言葉は、とてもうれしくもあり、またこれからも大切にしていきたい保育の願いになると思っています。

園長 高瀬 真理子
by denenchoufu | 2016-09-14 12:44 | 今大切にしたいこと